おそらく多くの方が感じていることだとは思いますが、人に伝える仕事をしている自分に
とっても多くの気づきがありましたので言葉で整理してみます。
危機管理的には難しいことも十分承知の上ですが、だからこそ人の心理を理解した伝え方が
必要だと感じていますし、子育てや教育にも全て通じるものだと思います。
①目標・根拠・期間・対象等が明確でなくグレーゾーンが多すぎる
現場で何か指示命令をした際、グレーな部分は当然出てきますが、ありすぎると人によっ
ては解釈という捉え方が全く異なります。何がわかったのかどう理解したのか復唱させて
確認する意義はここにあると思います。
②ここに至る過程(プロセス)が見えてこない
説得でなく納得してもらうためには、多くの関係者が何を根拠にどのような検討を経て
結果、ここに至ったのか透明化することが重要です。会議は密室で行われている時代は
過去の事です。トップダウンも大切ですが思いつき程度に感じてしまうと言葉に重みが
感じられません。数値を含めて可視化して伝える技術は本当に必要だと思います。
③発信者自ら範を示すことも含め、情熱指数が伝わってこない
上司(親)の背中を部下(子)は真似て学びます。一生懸命さはその瞬間伝わっても
行動変容を継続させるためには自ら実践し、周囲を巻き込んでいくことも必要です。
さらに様々な立場の方が様々な説明をするので情報が多すぎて混乱を伴います。
④恐怖や強迫観念では人の行動は変わらないものである
防災・減災の世界でも愛情や配慮を動機とした「利他的なエネルギー」を活用する
ことで、対策は進んでいくことがわかっています。ペナルティーや罰則等は効果が
薄いので指導者は限界を感じ、より高圧的なパワハラ的指導になりやすいのです。
⑤ダブルバインドは混乱させる要因の1つである
ウィキペディアから一部を引用しますが・・・
- 2人以上の人間の間で
- 繰り返し経験され
- 最初に否定的な命令=メッセージが出され
- 次にそれとは矛盾する第二の否定的な命令=メタメッセージが、異なる水準で出される
- そして第三の命令はその矛盾する事態から逃げ出してはならないというものであり
- ついにこのような矛盾した形世界が成立しているとして全体をみるようになる
という状態をいうそうです。
わかりやすく喩えると、親が子供に「おいで」と(言語的に)言っておきながら、いざ子供が近寄ってくると逆にどんと突き飛ばしてしまう(非言語的であり、最初の命令とは階層が異なるため、矛盾をそれと気がつきにくい)。呼ばれてそれを無視すると怒られ、近寄っていっても拒絶される。子は次第にその矛盾から逃げられなくなり疑心暗鬼となり、家庭外に出てもそのような世界であると認識し別の他人に対しても同じように接してしまうようになる。
そして以下のような症状が現れるそうです。
- 言葉に表されていない意味にばかり偏執する(妄想型)
- 言葉の文字通りの意味にしか反応しなくなる(破瓜型:はかがた)
- コミュニケーションそのものから逃避する(緊張型)
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